Kさんからいただきました。

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この3日連続で庭の餌代で動かなくなった亜種オオカワラヒワシジュウカラをみています。
シジュウカラは2羽が3分半と5分半全く動かず。オオカワラヒワも4羽が餌台で4分以上
じっとしていました。 

そこで今読んでいる本を引用して、この状態を推察してみます。

””鳥の捕食者(ワシタカ類とか) 回避は、単独よりも群れでいることで効果を発揮するものが多い、
冬にカラ類やキツツキ類からなる混群のあとを追いかけていると、「ツー」と一秒にも満たない高くて
消え入るような声が聞こえるやいなや、それまで忙しく動き回っていた鳥たちがみなパタッと硬直して
身動きしなくなることがある。そんなときは決まって猛禽が通過するのをみることができる。この声は
第一発見者が「猛禽が来たぞ」と周囲に知らせる警戒声という小鳥たちの共通言語である。
一見、自分を擬声にして仲間を守るという、人間の世界であれば美談として語られそうな
行動であるが、彼らが出す約7キロヘルツの音声は聴くものにとって、発信者の場所が
もっとも特定しにくい周波数であるらしい。そうであれば、出来るだけたくさんの個体が共通の
警戒声を持っていたほうが効率的なので、多くの種が同じ信号を用いているのだと考えられる。
いつ誰が捕食者の発見者となるとは限らないからである。「情けは人のためならず」という
言葉があるように、警戒声を出した個体がいつかはめぐりめぐって他の種の個体に助けられる
ことがあるに違いない。多少の危険があっても、それを上回る利益が結果的に得られるなら、
このような行動が進化してきたのであろう。

ところが、中には「オオカミと少年」に出てくる羊飼いの少年のように、この警戒声を利用して
だまそうとする者がいるからおもしろい。たとえば、人為的に設けられた餌場を陣取って
食べている体の大きな鳥に対して、体の小さな鳥が「偽の警戒声」をだすことで意図的に
邪魔者を追い払って餌場を独り占めするということがあるらしい。・・・・・・・・・・・・・・・”

さて我が家のシジュウカラは何故動かなくなったか(動かない)ですが。Taroさん、皆さんの餌場では
このようなことがみられるのか、メジロヒヨドリに一泡ふかせられるのか、自然界における行動は
分からないことだらけ、しっかり鳥を観察してみましょう。

因みにこの本は: 

”鳥たちの森” 日野 輝明(農学博士)著  発行所 東海大学出版会 \ 3,200
本の森/多様性の生物学シリーズ、森の鳥を主役に「生物相互間作用」「共進化」「多様性」
を多くの実証データ−を使い学術的ながらわかりやすく解説されています。

少し高い本ですがご一読をお勧めします。